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ご無沙汰でした。
もう今日から2週目に入るのだけれど、ギャラリーでは「妖しのペン作家展~蠢くペン~」開催中です。蠢く(ウゴメク)って文字がスマホからは打てなかったので一部ひらがな表記になってますが、字づら通りもぞもぞした感じの世界が繰り広げられています。 この世界観は無理やりにカテゴライズすると幻想芸術という分野になるのでしょうか。実際に国際幻想芸術協会(International Fantastic Art Association)という団体もあって、今回の展覧会でも近藤宗臣さんが加入しておられるのだけれど、どうも英語でいうところの「ファンタスチック」と訳語の「幻想」にはだいぶ大きな開きがあるように感じます。 たぶん表現の内容として日本のそれは、エロチックな夢想や深層心理の中に潜んでいる様々なトラウマや悪夢、グロテスクで病的なイメージなどを表わそうとするスタイル、あるいは宗教的な啓示や神話や民話、精霊や妖精といったものを指しているのではないでしょうか。 今回の展覧会の参加者は先近藤宗臣、藤田佳菜子、美奇子、永井健一、福山翔太、夜乃雛月、みそら、深木シゲミの8名。失礼ながら写真の通りそれぞれに屈曲したイメージを、執拗で濃密な、或いは繊細で丁寧な線描で描いています。 話はそれますが、文学ではファンタジーという形式があって、もちろん曖昧で流動的な定義ではあるけれど、メルヘンや童話とは違うのだ、ということを、佐藤さとるが「ファンタジー童話傑作集」のあとがきで書き起こしてくれています。 わざわざこんなこと書いたのは、僕が個人的に結構この幻想またはファンタジーという分野がスキだってことですね。僕らは現実のこの社会の中に根ざしながらも、実はそれぞれの物語を生きているのだという実感が、常にあります。そしてそういう俯瞰こそが、どこまで行っても頼りない僕らの生の、ささやかな拠り所なのではないか、と思うのです。 敬愛する河合隼雄が「現実というのは思いのほかに多層性をもっている。自分が見ている『この世界』がすなわち唯一の世界だと思うのは浅はかすぎる」と書いておられましたが、全くの同感です。
by dilmon
| 2012-03-30 10:21
| 亜蛮人
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